
日本人には、ほかの種族よりも多く存在する遺伝子が存在します。その遺伝子は、日本人の実に90%以上の人が持っているとも言われているようです。
いったい、何の遺伝子なのでしょうか?
日本人特有の遺伝子?「不安遺伝子」
私たち日本人は、世界の人々から見ると「奥ゆかしくて控えめ」だと思われているようです。また、仕事や生活に関しても、丁寧できっちり行なうというのも特徴のようです。ま、どちらも合っていますよね。
また、これらは印象だけではなく脳科学的にも証明されています。それらの遺伝子は『不安遺伝子』と呼ばれ日本人の8割~9割以上の人がDNAに組み込まれているとか。不安遺伝子についてくわしく調べてみました。
日本人は悩みやすい?
不安がもたらす気持ちの不安定さや焦りは、心だけではなく身体をも不調にしてしまう場合があります。その不調は、うつ病やパニック障害となって、私たちの心や身体に現れます。
いつも不安に襲われ、心休まらない苦しい症状で通院する人もいらっしゃいます。うつ病やパニック障害は、現在では以前よりは理解されてきており、休職などでしっかりと治療期間を取ることで症状もよくなっていくようです。
以前なら、「甘えている」「さぼりたいからだ」などと批判するような人も多かったと思うのですが、様々な雑誌・メディアでも取り上げられるほどの社会現象になり、決して怠けているわけではないことが伝えられてきました。
そのため、考え方はどんどん変わってきており、今では広く理解されるようになってきました。たくさんの人が認知していることからもわかるように、現代の日本では誰でもなりうるような病気なのです。
日本人って生真面目で働き過ぎですよね^^;
不安遺伝子とはどのような遺伝子なのか
日本人は「控えめ」などと他国の人々に思われているようです。私たちの生活の仕方は太古の昔から先祖代々引き継がれてきたもので、これが普通だと感じていますよね。
繊細で悩みやすいとも言われており、そのため不安を多く抱えているように見られることもあるようです。でもこれは、気のせいではなく、実際に遺伝子の影響なのです。それが『不安遺伝子』なんです。
1996年 科学雑誌にて『不安遺伝子』が発表
セロトニンサポーターと呼ばれる遺伝子は、脳内にセロトニンを円滑に運ぶ役割をしています。しかし、セロトニンサポーターがしっかりと運ぶ役割を果たさないと、セロトニンが十分に活用されなくなってしまいます。
また、セロトニンがうまく働かない症状として、うつやパニック障害などの症状があります。日本では、このような症状はとても身近なものとなっていますよね。これは『不安遺伝子』の力が大きいと言えます。
『不安遺伝子』について科学雑誌には世界的に調査した結果が報告されています。いくつかの国で不安遺伝子についての調査を実施しました。その結果、日本人が一番不安遺伝子が多いということがわかりました。
ま、納得しますが^^;
アメリカと日本の「不安遺伝子」結果を比較
不安遺伝子の数は以下のような結果となりました。
■アメリカ
- 不安遺伝子が2本以上:国民の19%
- 不安遺伝子が1本以上:国民の67%
- 不安遺伝子が0本:国民の33%
■日本
- 不安遺伝子が2本以上:国民の67%
- 不安遺伝子が1本以上:国民の97%
- 不安遺伝子が0本:国民の3%
この結果からみても、日本人は不安になりやすい人種だとはっきり言えるでしょう。アメリカ人との結果の差に、驚きますよね。
アメリカ人は、とても楽観的で不安があまりない人種のようです。自分の主張をはっきり持っており、その主張は年齢や立場を問わずに相手に伝えます。
また、悩みを他人に相談しても「自分はどうしたいか?」ということを逆に問われたりします。意見がない=その人の存在がないという解釈なので、誰に何と思われようと自分の意見を伝えます。
また、その意見を話したことの結果が良くても悪くても、あまり悩まず楽観的に考えます。
それに対して、日本人は違います。まず、相手の立場を尊重し、そのうえで意見を言います。時には荒波を立てまいと無難な言葉で相手に合わせてしまうことも少なくありません。
- 相手に嫌われたらどうしよう
- これでけんかになったら大変だ
という不安から、そのような行動に出ることもあるでしょう。
それも、不安遺伝子が多くあるからとも捉えることができます。しかし、日本のこの文化や考え方は決して悪いものとは言えません。相手を思いやる心や奥ゆかしさがとても素敵だなと感じます。
日本人特有の気配りや細やかさや期日や時間に正確さ。これも、日本人の不安遺伝子が関係していると言えますね。
きちんとこなすこと、細かく事を進めることで、自分の不安要素を取り除いているのではないでしょうか?
不安遺伝子が多くあるからと言って、決して悪いことではありません。悩みやすいからこそ、順序立てて作業や仕事をすることで、不安の要素が取り除かれ、気持ちが波打つのを防止することもできます。
一種の抑止力にもなっています。
不安を取り除くには
不安遺伝子の多い私たち日本人は、とても悩みやすい人種です。悩み自体が悪いことだとは思いませんが、ただその悩みが原因で精神が不安定になってしまうとツラくなります。
そうなると不安材料を取り除くことが、一番の治療法となります。そして悩みが増えると、何事にも否定的になり、誰の意見も聞けなくなりますし自分を責めてしまいます。
そうならないためには、不安遺伝子が働かないように少しでも気持ちを向上させていくことが必要になってきます。
病院で薬を処方してもらうのも正しい治療法かと思いますが、その治療を始める前に症状をストップさせることができたら嬉しいですよね。
自己肯定力をあげて不安を消す
否定的になっているときは、誰の声も素直に受け止めることができなくなります。しかし、日頃から自己肯定力を高めておくと、すぐに落ち込んだり、周囲と比べて悲しくなったりすることがなくなります。
現在は様々な本が出版されており、うつ病やパニック障害を脅かす不安材料を消してくれる方法がわかります。そのような本には体験談も多く掲載されていますので「ひとりじゃないんだ」「私もきっと元気になる」と気持ちも前向きになっていくのではないでしょうか。
人と接するのが苦手だったり、人前では緊張してしまう…という人も、自己肯定力をあげていくと効果が出やすいでしょう。
マインドフルネス
また瞑想は、心を整えるのにとても効果がある方法ですので日常生活に取り入れるのも良いですよ。
マインドフルネスとは、
- 「今、ここにいること」
- 「今、この瞬間の時間」
- 「今の自分自身の心のありかた」
など、今ここでの状態、ただそれだけに集中することを言います。リラックスし、気持ちの良い時間を過ごし、研ぎ澄まされていることを指します。
- 姿勢ただして呼吸だけに集中していく。
- 呼吸だけに意識を向けると、日頃自分を苦しめている雑念がいなくなる。
- 呼吸がゆっくりと体内をめぐり、どんどんリラックスした状態になる。
マインドフルネスを実行する際は、そんなに長い時間ではなくてもかまいません。一日5~10分程度で良いのです。
最初は呼吸に意識を集中するのはなかなか難しいかも知れませんが、自然とできるようになりますので、あまり気負わずに取り組んでみてくださいね。
マインドフルネスの効果
- 集中力アップ
- 深くて質の良い睡眠
- ストレス軽減
直感や創造力が研ぎ澄まされる、などがあります。ストレスを手放すと心身共にラクになり、快眠できます。
不安遺伝子を否定せずにうまく付き合っていくには、やはり自分自身のセルイメージを上げる必要もあります。日頃から自己肯定力を上げていくことで、ポジティブに意識変換をする。
日本人としての細やかさを大切にしつつ、現代を生き抜く強い心を持ちたいですね。言うは易く行うは難しですが(T_T)