
今回のテーマは「発達障害」にスポットを当てています。社会に適用しにくい要因のひとつに発達障害が隠されているケースも多いとか。
「発達障害」と遺伝性といった様々な角度からみていきます。
遺伝子の影響で発達障害になるのか
発達障害になる正確な原因は解明されていません。ですが、その障害ごとに遺伝しやすいものと、遺伝しにくいものがあります。

たとえば、広汎性発達障害に分類される自閉症スペクトラムやアスペルガー症候群は脳の遺伝子異常や染色体異常による脳の機能障害が原因と言われています。
一説では、父親が高齢であることや妊娠時の母体からの受動喫煙、環境汚染による有害物質の影響も原因の一つではないうかと考えられているようですが、今のところ有力な医学的根拠がありません。
生活環境による遺伝
親が発達障害を持っている場合、子どもがその特性を受け継ぐことがあります。健常者も日常生活していく中で苦手意識や出来ないことがあると思います。
その特性が大きな塊になった時、発達障害と呼ばれる状態にります。
何が影響している?発達障害の3つの原因とは
脳
生まれつき発達障害を持っている場合は、脳内に存在している神経伝達物質の一種であるドーパミンという物質がうまく働いていないことが原因である事がわかっています。
環境
ダイオキシンの発生、農薬・殺虫剤・合成洗剤の過度な使用、周囲や母体が喫煙することによる胎児の受動喫煙など。
産まれる前の環境によっては、発達障害を持って産まれてくる可能性が高くなると考えられます。
妊娠中の母親の体内影響
母親の妊娠中や出生時、新生児期の間に脳の発達に影響を与える疾患があります。
頭への大きな衝撃や怪我、インフルエンザや風疹等のウイルス感染によるもの、妊娠高血圧症候群、脳炎や髄膜炎、低出生体重児、酷い栄養不足などがあります。
兄弟で発達障害になる?双子はなりやすい?
一卵性の双子

一卵性の双子の場合、高い確率で2人とも発達障害になるという研究結果がでています。そのパーセンテージは70~90%であり、遺伝率は90%と言われています。
障害がきょうだい全員に発現するかどうかは現段階では具体的な数値は出ていませんが、何らかの要素が遺伝して発現した可能性が有力視されています。
遺伝する発達障害への対策と予防
そして、万が一発達障害の赤ちゃんが生まれた場合のケアや二次障害についても対策することが可能です。
禁酒と禁煙
これは一般的な母体への配慮として考えて行きたい話でもあります。アルコールやタバコは、大人でさえ様々な影響が出るものです。小さな胎児であれば尚更その影響は大きいと言えます。
予防接種
こちらは、あまり認識されていない方もいるのではないでしょうか。子どもの頃、風疹やはしかなどの感染症にかかっていない場合予防接種を受ける事が重要です。

ここで覚えておきたいのが、妊娠してしまうと女性は予防接種を受けることは出来ないということです。もし、これから妊娠を考えている場合は事前に予防接種を済ませておくことです。
これは、母親になる女性だけではなく、父親になる男性にも一緒に受けてもらう事が大事です。身近にいる父親からウイルスを貰うことになっては困るからです。
食生活

特に気をつけたいのが、メカジキ、キンメダイ、マグロ、ユメカサゴ、クジラです。妊娠時だけでも控える方がいいでしょう。
葉酸をとる
妊娠中は積極的に葉酸を取ることで、先天性異常になる確率が下がることがわかっています。手軽にとれるサプリなどもありますので、妊娠中から意識して摂取することが大切です。
また、高齢出産では先天性異常の確率が上がりますが、葉酸を取ることでその確率を抑えることができます。
二次障害にならないために
代表的なものは鬱です。本人は頑張っているつもりでも、それが見当違いだったり、周りから認めて貰えなかったり、理解されなかったりといったことが続くと自分はダメなやつだと自分を責めるようになります。
その結果、人に会うのが怖くなったり引きこもったりして最終的には鬱病を患うケースが多いです。
他にも、対人恐怖症やパニック障害など障害の種類は様々ですが、これらの障害は周りが適切なサポートと理解を示すことで回避できることなのです。
まずは、両親や家族がその人のことを認めて、褒めてあげることが大切です。
発達障害かもしれないと思ったら、まずは専門の病院に行って診断を受けること。医師からのサポートを受けることも、二次障害回避の重要な対策の一つです。