
少女の前に花が並び、そこに妖精たちが可愛らしく飛んでいる…そんな写真を小さなころに見て夢中になったのを覚えています。
そしてその本に写る妖精を大人になっても信じていました。あとで「写真を切り抜いて作った偽物」だと知った時は、とってもショックを受けたんですよね。
しかし、妖精は世界中で語り継がれ、私たちを魅了してやみません。実際に妖精を見たことがあるという人も、実は結構います。
愛らしく可愛らしいものだけではなく、ちょっと怖いものや夢のあるものなど様々。そこで、海外や日本の妖精について調べてみました。
妖精(フェアリー)とは?
本代に入る前に妖精とは何なのか、みていきます。
その存在は、人間と神のちょうど中間にあたると言われていますが、彼らがする行動や元々の性格は気まぐれっぽいようです^^;
妖精は、人間の赤ちゃんが生まれて初めて笑った時に誕生するそうです。その逆に「妖精なんていないよね」と否定的なことを思うと、妖精は一人ずつ消えてしまいます。
特にイギリスなどでは妖精が存在すると信じられています。たとえ外見が人間と異なっても、共存してきたと言われているようで様々な伝説があるんですよ。
ティンカー・ベルのような海外の妖精一覧
調べているだけでも楽しくなるような妖精たちを、いくつか、ご紹介しますね。
ティンカーベル
有名な「ピーターパン」にも出てきますし、ディズニーにも登場するのがティンカーベルです。海外の妖精と聞くと、真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。
イギリスの作家が書いた戯曲の中に登場することからも、妖精を信じて大切にしている国だということがわかります。
彼女たちは、金物を修理する妖精と言われています。物を作るのが上手で器用な妖精らしいんです。その上とっても勝ち気で独占欲も強く、そのワガママさが魅力とも言われています。
意地悪をすることもあるけれど、正義感も強く持っていて、友人を命がけで支えると言う面もあります。
ネバーランドに住み、そこに流れ着く人間の失くした物を妖精たちのために有意義に使用します。
ディズニーではグリーンの洋服に羽根がとても印象的ですが、他のアニメでは赤や黄色のドレスなどを着ており、それぞれのイメージで仕上がっていますよね。
トロル
トロルも、妖精の神話などで良く聞く名前です。この名前は、北欧地方での「妖精」の総称になります。
トロルは、深い深い森の奥や人間に見つからないような洞窟に住んでいます。鼻はまるで下につきそうなくらい垂れ下がり、尻尾も長く、身体はたくさんの毛に覆われています。
地面にお宝を埋めて貯めていく性質を持っていますし、色々なものに化けたりします。一番苦手なのは、十字架だそうです。
ブラウニー
お菓子のような可愛い名前ですが、スコットランドやイギリス北部に伝えられる妖精がブラウニーです。家に住み着く精霊と言われています。
悪いイタズラはせず、良いことをたくさんしてくれる優等生タイプの妖精です。
その大きさは1mくらいで、茶色いボロボロの服を着て、髪の毛も髭も伸ばしっぱなしで決して清潔な雰囲気ではありません。
しかし、人間の手助けをしたり、動物の面倒を見たりと、心優しい妖精です。
礼節を重んじるのがブラウニーの特徴ですから、人間はしっかりとお礼の食べ物などを家の中に置いておくようです。
適当な対応をしていると、怒って違う場所に移動してしまうこともあるようです。
また、ブラウニーは本当は衣類が欲しくて、手助けしてくれているのだとか。なので、衣類を差し出してしまうと安心感からか働かなくなり、他の場所へと去っていきます。
ドワーフ
「白雪姫」と一緒にいる7人の小人たちが、ドワーフに分類されます。北欧の神話や童話などにも登場する妖精です。
暗い地下や洞窟に住んでいることから、暗闇でもしっかりと目が見えます。地下に穴をずんずんと掘って、街を作っているとか。
器用なので鍛冶屋や建築などの仕事が大得意。陽気な性格で、とても仲間思いなのも特徴です。
また、寿命はだいたい200歳くらいとか。妖精は長生きなのです^^
1mくらいの小さな身体ですが、男性のドワーフは床に着きそうな長い顎髭が自慢です。
ホビット
映画「ロードオブザリング」にも出てくることで世界的に有名になった妖精と言えば、ホビットですよね。
子供くらいの背丈しかないけれど、全身を茶色い巻き毛で覆われていてとてもズングリした体型ですが、そのくせ愛嬌があって可愛らしいので、迫力がありながらも親しみを感じます。
古くから欧米で語り継がれている妖精なのですが、どうやらある作家が生み出したオリジナルのようです。
身体は小さいけどとても我慢強く、大きな困難があっても仲間同士で助け合って乗り越えます。カラフルな服装が大好きで、大食いなのも特徴。
ホビットを生み出した作家は、もしかしたら自分の希望をすべて詰め込んで、ホビットに夢を託したのかも知れませんね。
サンタクロースのお手伝いをする妖精たち
サンタクロースと同じ赤いとんがり帽子をかぶり、髭が生えた可愛らしいサイズの小人。それが「ニッセ」と呼ばれるものになります。
ニッセは屋根裏などにひっそりと住んでいるのですが、ニッセがいる家はとても幸せになる…と言い伝えられています。
少々気まぐれな性格がたまにキズですが、サンタクロースのお手伝いはせっせとこなす働き者です。
ニッセを粗末に扱うと、いたずらなどを繰り返します。そのため、クリスマスの時期にはニッセに感謝の気持ちを伝えるためにスープを供えるんだとか。
北欧では、サンタクロースよりも馴染みが深いと言われているようですよ。また、英語圏では「トムテ」と呼ばれるそうで、広い地域で愛されています。
日本の妖精一覧
海外のように、日本にも妖精がいるのでしょうか?
座敷童子
座敷童子といえば、一番有名な日本の妖精に当たるかも知れませんね。
最近では座敷童子を見るために、言い伝えのある場所に泊まって本当に座敷童子に出会えるか、検証する番組などもありますよね。
実際にテレビカメラで撮影すると、誰もいない空間の物が動いていたり、物音が聞こえてきたり…と、不思議な現象が起こっています。古くから言い伝えのある旅館などにいることが多いようです。
座敷童子については諸説ありますが、東北では子供の人数を数えた時になぜか1人多いときがあり、その1人が誰かわからないときは座敷童子がそこにいた…とされていました。
座敷童子は、着物を着た5~6歳ほどの幼児です。女の子なら赤っぽい着物、男の子なら黒っぽい着物を着ているようです。
また、座敷童子がいると言われる旅館などは、座敷童子がいてくれてる間は栄えると言われています。そのため、「いつまでもここに居てほしい」と、おもちゃやお菓子をお供えして感謝の気持ちを表すようです。
コロポックル
北海道にいるといわれている妖精が、コロポックル。児童文学でも、コロポックルをモデルにした作品がありますし、興味がある人も多いと思います。
彼らはアイヌ伝承に登場する、可愛らしい小人のことです。
コロポックルの意味は、「蕗の葉の下に住む人」のことで、北海道やその近郊の島でも広く言い伝えられていますが、呼び方も様々です。
コロポックルは小さくて動きが機敏。蕗の葉を葺いた屋根に穴を作って住んでいて、漁がとても上手だと言われています。
アイヌ民族とも交流があったそうですが、とても恥ずかしがり屋で姿を見せるのはとても嫌がったとか。そのため、窓などから夜にこっそりと贈り物をしてくれたようですよ^^
贈り物は魚や肉だったり、植物だったり、自分たちで獲ったものでした。
このようにこっそりと交流を続けていたのですが、ある一人の青年がコロポックルに失礼なことをしてしまい、それがきっかけでアイヌ民族の元を去ってしまったとか。
そのため、以降はアイヌ民族の前には一切姿を表さなくなってしまいます。
今でも土器や石器が発掘されていますが、コロポックルがその地にいたというのが名残とも言われています。
アイヌ民族は、夫人が刺青をする風習があります。その風習はコロポックルに倣った伝統であると言い伝えられているんですよ。
また、コロポックルの正体がある地域のアイヌ民族だと言っている研究者もいましたが、まったく異なるものだという意見も多々あるようです。
オジサンの妖精
- 自宅で小さいオジサンを見た
- 座布団をめくったら、小さいオジサンが出てきて逃げていった
そんな話をここ数年耳にするようになった気がします。
芸能人などもこのような発言をしていることがありますし、私達のような一般人でも見たことがあると言っている人が結構いるみたいですね。

実は私も一度、見たことがあります。そう言ってもなかなか信じてもらえないのですが、小さいオジサンがスーツを着て走っていました!
最初はビックリして何かの間違いかと思ったのですが、何度見ても小さいオジサンでした(>_<)
最後は草むらの中に消えていきました。
特に何か人間に害を与えるわけでもありませんし、目撃した人は恐怖というよりもキュートさを
感じる妖精です。
小さいオジサンは、特に子供には見えやすい妖精だとも言われています。
天狗
昔から日本の民話に必ず出てくる「天狗」。高すぎる鼻やその色合い・そして翼で自由に飛び回る姿が描かれた絵は、ちょっと怖いものがありますね。
最初は天狗のイメージは鷹などの鳥のように描かれ想像されていましたが、1290年前後に今の姿でのイメージが定着したようです。
また、怖いイメージのある天狗ですが、神様として信仰の対象ともなっています。

たとえば、山の神。比叡山の「法性坊」や筑波山の「法印坊」などがそれにあたります。輝く神として捉えられ、山には必ず天狗がいる…という言い伝えがあります。
河童
岩手県遠野市には、古くから語り継がれている物語があり、河童がこの地に居たという言い伝えも含まれています。
カッパ淵という場所には、かつて河童がたくさん住んでいて、人間を驚かしていた、、、という言い伝えがあります。
今でもその場所には祠があり、母乳の神である河童に祈願に訪れる母親が多くいるとか。河童という名前は「かわ」と「わらは(子供のこと)」が変化して付けられたもの。
日本のあちこちで河童についての伝承はありますが、目撃情報がありながらも謎に包まれているのが現状です。
河童の頭にあるお皿は常に水で潤っていて、これが乾いてしまうと死んでしまいます。まるで鳥のようなくちばしと亀のように甲羅があり、泳ぎが得意なのも納得の水掻きが手についています。
身体は緑色、そして水の中で過ごすことから、生臭いとも言われているようですね。
水神の仮の姿と言われたりもしていますが、その容姿から「猿の妖怪」と言っている地方もあります。それらの地方では、全身毛だらけだと信じられています。
河童は泳ぎがとても得意で、川や海に生息しています。特にひどいことはしないようですが、おちゃめなイタズラをするようです。
また、人間の作業を手伝ったり、情に厚い部分もある一方で、人間を死に追いやるような悪いことをするという伝説もあります。
シダの葉っぱを使って人間に化けたりすることもあるようです。
鬼
昔話や、絵本などで鬼の存在を小さいころに知ったと思います。最近ではCMなどでも鬼が使われ、コミカルで親しみやすい存在になっていますが。
鬼は有名な妖怪の一つではありますが、「大きくて怖い」「とても強い」「悪いことをする」などのイメージがつきまといます。
- 頭からにょっきりと生えた2本の角
- 口元には大きな牙と指には鋭く尖った爪
このように鬼は恐ろしい者であるため、怖いものや悪いものの代名詞としても使用されます。
しかし鬼にも諸説あって「地霊」と言われていたり、「天狗」と同一と言われたり、研究者によって様々です。

人間の醜い憎しみや、嫉妬心が鬼の形となって表れることもあるという説もあります。
「源氏物語」の六条の御息所の物の怪が、まさにそのような状態だったのかもしれません。
それがもし本当なら、人間が心の奥底で思う汚い気持ちが一番怖いような気もしますね。
まとめ
西洋の妖精から日本の妖精・妖怪まで、幅広く検証してきました。

実際にいるのかどうか、本当のところはわかりませんが、庭に咲く花の周りに目に見えなくとも妖精がいると思うとなんとなくウキウキします♪
反面、暗闇を通る時なんかは「鬼がいたらどうしよう」なんて感じてしまいます。
もし本当にいるのなら、見てみたいという気持ちが起こっても不思議ではありません。
神話の中に登場するものであっても、縁があればいつか必然的に出会うことができるとも言われているので、ひょっとしたら巡り会う機会はあるかもしれませんよ。
この世は、不思議なことが色々と起こります。自然現象だけではなく、心霊現象や都市伝説と呼ばれるような怪奇でミステリアスなこともです。
妖精や妖怪など神話で語り継がれるということは、何かしらの意味や意図があるのではないでしょうか?
目に見えなくとも、たとえ想像上のものだったとしても、敬いの気持ちを持っていたいなと思います。
様々なよもやま話記事です。
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