
ヨガを続けていると、瞑想と同じ効果が得られると言われています。
その中でも、「変性意識状態になることがある」というものが、非常に興味深い点です。
今回は変性意識状態とはどんなものなのか、「魔境」についてお話していきたいと思います。
変性意識状態とは?
普段、はっきり目を覚ましている時は、潜在意識は眠っているため、私たちの脳では認識できません。
「心の奥底で本当に望んでいること」に気づきにくいのは、このためです。
ところが、普段は思考が優位になっているため、潜在意識ではなく、「顕在意識」からの命令で判断・行動をしているのが私たち人間なのです。
そのため、潜在意識の領域にある「本当の自分の意思」は、普段は「なかったこと」にされているのですね。
しかし、ヨガ瞑想でリラックス状態を作り、ウトウトしてくると、変性意識状態になります。
その結果、潜在意識が顔を出しやすくなり、少しずつ「あるがままの本来の自分」に戻りやすくなると言われています。
変性意識状態になると、急に映像が目に浮かぶって本当?
ヨガ瞑想を日課にしている人の中には、「瞑想中、変性意識状態になると、映像が目に浮かぶことがある」というケースもあります。
そして、その映像の意味を自分なりに解釈し、その通りに行動すると、人生が好転するという話も聞きます。
結論から言ってしまうと、瞑想で変性意識状態になった時、映像が目に浮かぶことはよくあるケースです。
これは、その人が超能力者になったわけでは、決してありません。
何度も変性意識状態になると、よりスムーズに潜在意識にアクセスしやすくなります。
その結果、潜在意識からの情報を受け取りやすくなるのです。
「目に浮かんでくる映像」は、正に、潜在意識から送られてくる「今の自分に最も必要な情報のヒント」なのです。
そのため、変性意識状態のときに見た映像は、記憶しておくと良いですね。
今後、自分がどう生きていくべきかの、大切なヒントになる可能性が高いからです。
変性意識状態になることを期待してはいけない
変性意識状態の中で見る映像が、そんな素晴らしい叡智のような情報なら、ぜひ1度見てみたいですよね。
でも、それを期待しながらヨガ瞑想をすると、かえって逆効果になります。
「変性意識状態になりたい」と期待してしまうと、それが執着となって、リラックス状態を作ることを妨げます。
先ほどもお話したように、変性意識状態になるのは、リラックスしてウトウトした時です。でも、執着が強いと、無駄な力が入ってしまうため、リラックスすることができません。
なので、本当に変性意識状態になるためには、何も考えずにヨガ瞑想をすることがポイントです。
そして、映像が目に浮かぶというレベルになるまでは、短時間でも良いので、毎日ヨガ瞑想を続ける必要があります。
瞑想のデメリット 魔境に落ちる!
瞑想にはメリットもありますが、その反面デメリットも存在します。
そのデメリットのひとつに「魔境」があります。
魔境とはいったい何なのでしょう?
魔境とは
科学的な調査も行われており、その副作用についての調査がまとまっています。
そんな魔境の症状について見ていきたいと思います。
魔境の症状
魔境については科学的な調査が行なわれています。
瞑想を実践している60人の西洋人に聞き取り調査をしたものがそれです。
毎日瞑想をしているような方々が調査対象者となっていますが、そんな長年の経験者でも魔境の症状を経験している人が多いのです。
魔境がどのような感覚になるのかと言うと、
- 怖い
- とにかく不安な気持ちになる
- 眠れない
- 自分の感情とは違うものを感じる
- 吐き気がする
- イライラする
- 忘れたいトラウマをまた体験してしまう
- 幻覚や幻聴
などが挙げられます。

どれも経験したくない感覚ですよね。
この症状は、程度が軽くてその時だけのもの・持続してしまうような重症なものまで様々です。
魔境が起きやすい人
魔境が起きやすい人の原因として、いくつかあります。
一日に数時間も瞑想を行なう人
瞑想は、心身のバランスを保ったり、生活をより豊かにしてくれる方法です。
一日の瞑想時間は数分からせいぜい2~30分。
毎日の生活の中で支障のない範囲で楽しむツールです。
ですから、あまりに行き過ぎるのは控えてくださいね。
没頭しすぎると、危険をともない場合がありますから、ほどほどに行なってくださいね。
瞑想をしはじめてからの期間が長い人
瞑想をはじめたばかりのビギナーと、もう何十年も行なっている人であれば、当たり前ですが何十年も行なっている人のほうが経験・知識が豊富です。
そのぶん、その人自身の感性もどんどん研ぎ澄まされていきます。感性が敏感なほど、魔境の症状が大きく出やすいと言われています。
魔境から脱出する方法
魔境に陥ると、不安なあまり気持ちが焦ってしまうことでしょう。
しかし、そんな心理状態では魔境から脱出することはできません。
魔境から脱出するには、まず、あなたの心を平常心へと戻してください。
そして、また瞑想を続けるのです。

魔境は、あなたの心を映した幻想と捉えてください。
いま見えているものが恐ろしくとても耐えられないとしても、ずっと続くわけではありません。
ですから、今見えているものを淡々と受け止め、時が去るのを待ちましょう。
誰にでも魔境は起きる
魔境は誰にでも起こりうる現象です。
なので、怖がったりせず、冷静な気持ちで対処してください。
そして、魔境に陥ったときの怖い映像や感覚は、そんなに重要に考えないでOK。
瞑想によって感性が鋭くなった人、瞑想中に驕りの気持ちが出た人などに起きやすいのですが、誰でも魔境に陥る可能性はあります。
特別なことではありません。
ですから、魔境を通して達観した・瞑想がこわくてもうできないなどと重要視しなくて大丈夫です。
起こった魔境をありのまま、取り乱すことなく受け止めると戻ります。
まとめ
「魔境」と言葉からイメージする印象は、一見怖いですよね^^;
でも、大丈夫!
誰にでも起こりえる現象であって、特別なことではありません。
ある意味「金縛り」に似ているかもしれませんね。
変性意識状態は、瞑想中でもよく起こります。引き寄せを発動させるためにも、このトランス状態はとても大事!
むしろ、トランス状態に入りやすくする工夫も必要だと思っています。

次回では、ヨガ哲学である「八支則」について解説していきますので、ご期待ください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!