
今回のテーマは「ムーンショット計画」についてのお話です。
よもやま話のような都市伝説は管理人も大好きですが、こちらの「ムーンショット計画」はよもやま話ではなく、近未来の計画話です。
はじめに
日本をはじめとした世界中の国は、これから様々な問題を抱えることになります。ま、今も様々な問題を抱えていますが(-_-)
まず、近年問題にもなっている超高齢化社会の到来を忘れてはいけないでしょう。高齢化が進んでいくと、社会を支えていく人々が不足します。
それを補うために海外からの出稼ぎ労働者の派遣や、AI化は必須です。こちらは業種によっては既に起こっていますが、それの一部を補うのも「ムーンショット計画」が担うことになりそうです。
他にも希少動物の減少や、北極・南極などの氷をも溶かしてしまう地球温暖化の到来。真剣に向き合わないといけません。最大の危機という面まで迫ってきています。
そこで、そのような状態を乗り越えるための打開策ともいえるのが
- ムーンショット
- サイバネティック・アバター生活
のふたつです。
これは政府が打ち出した大きな計画です。これらが私たちの生活に取り入れられることで、どのように変化していくのでしょう?
それぞれの計画を細かく見ていきながら考えてみましょう。
ムーンショット計画とは?
堅苦しい文章ですね^^;
人間が月に行き、また無事に帰ってくるなんて、夢のような話しの頃の時代です。(本当に月に行ったのか否かの議論は置いておきます。ここでは、”アポロは実際に使命を果たした”と言う前提で解説していきます)
アポロ計画には莫大な費用と計画、そして研究時間など大勢の人の知識や協力も必要でした。しかしその計画は斬新で世界中の人の心を捉え、やり遂げた後の成果はとてつもないものでした。
このようなことから「ムーンショット」という言葉は、より良い未来を想像していけるような斬新さ。また実現するには困難だけれど、実現することによる大きな成果。そして課題や、挑戦を意味するものとして使用されたようです。
未来を見据えて世界を変えていく準備をする…確かにとても壮大な計画だということがわかります。
ムーンショット6つの目標とは?
次に政府は、人々の心を魅了するような野心的目標である「ムーンショット目標」を計画しています。
最大の目的はいまから約30年後である2050年に、私たち人間が様々な制約から解放された社会で生きていくための道づくりとなっているようです。
2050年には目標が無事達成するように、2030年までに遂行する計画が細かく挙げられています。
ムーンショット目標1

『人が身体・脳・空間・時間の制約から解放された社会を実現』
2030年または2050年までに、希望する人々は身体的能力または認知・知覚能力をトップレベルまで引き上げることができる技術を開発して、新しい生活様式を普及させる狙いがあります。
限られた時間や、空間の中で様々なことをこなしていくには限界があります。またこれから先、超高齢化社会が進んでいくとなおさら難しいことが増えていきます。
それらを解決するために、最先端技術を使って快適な毎日を過ごせるよう、この目標ができているといっても過言ではありません。
たとえば、
”職場で一人の人間が仕事をこなしていく”
この場合は仕事量にも限界があり、時間もかかります。
しかし
”複数のアバターを製作し、それらも一緒に仕事をこなす”
これはどうでしょう?
同じ速度で正確に処理をすれば、短時間でささっと仕事が終わります。
アバターについては、別の章で詳しくお話ししていきます。
ムーンショット目標2

『超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現』
2050年になるまでに疾患の発症自体を抑えて予防することができる社会を実現していくと宣言しています。
その方法として、病院や大学など臓器間の包括的ネットワークを徹底し、解析を進めていきます。疾患したとしてもまだ発症する前の状態である’未病’から元の健康な状態に戻すための方法を確立します。
たとえば体調が悪くなった時には「もっと前から自分の身体についてきちんとしておくべきだった」と後悔してしまうことがありますよね。
発症してしまってからでは、元の健康な状態に戻るのは時間がかかります。それを防ぐためにも、機関が研究を重ね、予測をしていく。
きちんとしたネットワークを確立していれば、病気におびやかされた生活をせずに済みます。
ムーンショット目標3

『AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現』
少子化により、今後日本は超高齢化者社会を迎えます。高齢化が進むと、介護など生活に関わる人手が確実に不足します。
海外からの留学生や、移住者に頼っている部分があるこの問題ですが、たとえば今回のコロナウイルスの流行など地球規模の問題が起こった際、たくさんの施設や病院も麻痺してしまう可能性があります。
いまのわたしたちは、人間が自分の’身体’を使って行動し、’脳’を使って様々なことを考え、限られた時間内で仕事をこなしています。時間が足りなくて「自分がもう一人いたらいいのに」と思うこともあるでしょう。
政府が考えることは、まさにそれに応えてくれるかのような内容です。
AIを発達させ「人間とともに歩んでいくことで、自らが経験した行動などからしっかりと学習させ自分で動けるロボット」を実現していきたいのです。
「人生100年時代」とも言われている現在の状況。
100歳になるまで、自分の身体に不安を抱かず毎日楽しく生活したい…これは多くの人の望みだと思います。
これから高齢化がどんどん進むと、働く人の人数もどんどん減っていきます。人手が足りなくなったとき、日本を助けるのは誰なのでしょう?
ゆえにAI化を進めて日常に溶け込めば、人間と共存していくことも充分に可能ということなのでしょう。
ムーンショット目標4

『地球環境再生に向けた持続可能な資源環境を実現』
地球温暖化も昨今の大きな問題です。自然を守り資源の無駄遣いなどをやめるために、私たちは様々な習慣を見直さなければなりません。
海や山などにまで散らばる、誰かが捨てたプラスチックやビニール袋。これらが原因で多くの野生動物が傷つき、命を落としているのも事実です。
また、コロナウィルスが蔓延したいま(2020年)、多くの人がマスクを着用することが当たり前になってきましたよね。しかしこのマスクをポイ捨てすることで、海や川に流れ、海洋動物に危険な状態になってしまうことも心配されています。
そのため、レジ袋の有償化も始まりました。また、プラスチック製品を違う素材で作成するなどの動きも活発になってきています。
今までは当たり前に手にしていたものがこれからは有償化や、代替商品へと変化していくでしょう。
不便に感じるかも知れませんが、これも地球環境のためです。地球を蘇らせるために、プラスチックごみをなくしていくことは重要です。
そのため海や川、地面に捨てられたプラスチックごみを自動回収したり資源化することを実現していくことも宣言しています。
ムーンショット目標5

『未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出』
2050年までに生物の力をフルに活用して、完全資源循環型の食糧生産システム開発をすると掲げています。また、食料の無駄をなくすための取り組みも行います。
- 土の中の微生物たちの環境を研究し、完全制御。微生物だけの力で食料を増産させたり、温室ガスの発生を抑制する
- 森林の残材を昆虫などを使って飼料化したり食品化や燃料化をしていく
- 家庭から出るゴミを減らすため、生ゴミを粉体にしてカードリッジ化し、3Dプリンタにて再食品化する
これらを開発して実証するために2030年までに議論を進めていくとか。
ムーンショット目標6

『経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現』
言葉が難しすぎて、何を言っているのかわかりにくいので、まずは単語の意味から見ていきます。
精度が高いと言われる誤り耐性型汎用量子コンピュータを、2050年までに実現するのが目的です。そのために、2030年までにNISQ量子コンピュータ4を開発して量子誤り訂正の実証を目指します。
専門用語が多くて難しく聞こえる目標6ですが、このコンピュータを開発することによって色々な分野で革新を生み、今までの社会をもっと良いものに変えていく狙いがあります。
産業の強力化、新薬の発見の促進、新しい性能を持った材料の開発、天気予報の精度向上や、災害をいち早く警報するなど、今よりももっと暮らしやすく便利な世の中に変化していきます。
サイバネティック・アバターとは?
ムーンショット計画をやり遂げるために、政府はサイバネティック・アバターを作ることを目標としています。
サイバネティック・アバターとは、一体何でしょうか?

映画などで見る事があるアバター。
それらは劇中の中で私たちの代わりのように3D映像などで描かれていて、その精巧で細やかな動きは目を奪われます。
まるで生きているかのような動きに驚いた人も多いのではないでしょうか。
また、ロボットもそうですね。
映像の中だけではなく、普段の生活の中でもロボットが存在します。
たとえば、レストランなどでもよく見かけるようになったペッパー君。
彼も人間の代わりに、座席案内などを行なっていますよね。
それらのアバターやロボットに加えて、私たち人間の身体的・認知・知覚能力を拡張したICT・ロボット技術を含んだ概念がサイバネティックアバターと呼ばれます。
政府の目標を詳しく見ていくと、
- 2030年まで:1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを作る。
- 2050年まで:数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせる。
となっています。
本当に可能かどうかは別として、政府は「人間とAIロボットが共存した生活」というものを目指しているそうです。
サイバネティック・アバターは生身の人間の代わりになるのか
では、その「サイバネティック・アバター」は、私たち生身の人間の代わりになれるのでしょうか?
これから研究が進めば、高度なサイバネティック・アバターがっ誕生するでしょう。そして私たちの普段の生活の中でも、あらゆる場所にそれらが登場する気がします。
- 役所やデパートの受付や案内などの接客
- 会社内での通常業務
- 買い物代行
- 子守や留守番
- 介護施設や病院での患者さんとのコミュニケーションツール
可能性のあるものを挙げていくとキリがありません。すぐ傍で人間がそれらを作業することもありますし、遠隔操作で多数の仕事をこなすことができるようになるかも知れません。
しかし実際のところ「すべて人間の代わり」に活躍し、それらだけで生活できるかと言えば、そうではないでしょう。
急な故障や停電などの障害は、いつ起こるかわかりません。また、いくら多数の仕事ができるようになったとしても、人間のような「感情」はないでしょう。
確かにアバター自身も、様々なことを経験してレベルアップしていくことは考えられますが、誰かの心に寄り添ったり、親身になってお世話や仕事をするということは難しいと思います。
あくまでもプログラム化されたものをこなす、ということかもしれません。それらを踏まえた上であれば共栄共存していくことは可能かもしれませんね。
ムーンショット計画の付箋がスーパーシティ法案
ムーンショット計画を無事に実行していくための付箋として、2020年に法案が認められたのが「スーパーシティ法案」。
これは、『AIやビッグデータなどの最先端技術を用いて日本のある場所を特別区域にし、未来都市にしちゃおう』ということなのです。
ムーンショットを実現するために、まずは実験してみよう、ということのようです。
で早速、トヨタ自動車は静岡県にAIや、ロボットの実験・検証を行なう実証都市を2021年に静岡県に着工する予定だそうです。
前もってデータを取って、ムーンショットに生かしていくという流れでしょうか。まるで夢みたいなこの計画ですが、確実に進んでいますよ。
ムーンショットのメリット
ムーンショット目標について色々と見てきましたが、実現させることのメリットも気になるところですよね。どんなメリットがあるのでしょうか?
常識にとらわれない思考
ムーンショットはとても壮大な計画であるため、「そんなことできる?」「本気で言っているの?」とびっくりするようなことも多々あります。
しかし、今まで型にはまっているような’常識的な目標’しか知らなかった私たちにとって、斬新かつ興味をそそられるような内容にも感じられます。
ひとひねりもふたひねりもあるような思考ですが、新たな世界が見えてきます。
視界が広がり不可能をも可能に変える
ムーンショットは、今まで見てきた目標などとは比べ物にならないくらい桁外れです。
しかし、それらを達成しようとすることで、「こんな考え方もあるんだ」「今までと同じではなく、違う行動をしてみよう」と思考が柔軟になるような気もします。
視界がどんどん広がり、可能性も大きくなります。不可能をも可能に変えてしまうパワーが、ムーンショットにはあると思います。
AIのアイディアで住みやすくなる
アバターと共存するなんて、今まで頭の片隅にもなかった人が大半でしょう。もし、アバターと共に生きていくならば、「こんなことをしてほしい」「あんな機能があればラク」と、求めることが色々出てくるかと思います。
その希望を叶えるために、AIへのアイディアが浮かび、様々な開発に生かされていくでしょう。
まとめ
遠い未来に感じていた、ロボットやアバターとの共存。
自分たちが生きている時代には、到底ないだろうと感じていたことが、いまAIなどを用いて実行されようとしています。SF映画の世界が実現しようとしています。
しかし、人間は便利さと引き換えに確実に何かを失っていきます。
機械化があまりに進んでいったり、土の中まで管理するというようなびっくりする内容にも少々怖さを感じます。
管理人は自分たちの存在意義や、いったいこれからどんな世界になってしまうのか、期待もある反面、想像するにも壮大すぎてキャパが追いつきません…。
ムーンショット計画の期限は2050年です。そのころ私たちの住むこの地球、そして日本はどうなっているのか。この計画の内容を頭の片隅に置いて、見守っていきたいですね。

正直な声
:昭和のよき時代がいい!こんな世界はイヤだぁ~~
<( ´ ⌒`)ゞマイッタナァ・・・