荒ぶる神なのか明王

諸悪を調伏するため、その顔は恐ろしい形相で、手に様々な武器を持っています。
五大明王(不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)が代表的ですが、愛染明王、孔雀明王などさまざまな明王がいます。
不動明王(ふどうみょうおう)
お不動さんとして親しまれている明王で、煩悩にまどわされる人々を教化する仏です。
守護者として信仰を集めていて、仏像や画像の作例が多く作られています。
火焔の光背を背にして、宝剣、羂索を持ち、恐ろしい形相です。
不動明王には多くの従者がいますが、二童子を左右においた三尊形式をとることが多いようです。
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)
大日如来の化身で、煩悩の原因となる食欲、怒り、愚痴の三世をやぶるといいます。
三面八臂であらわされることが多いようです。
降三世印と呼ばれる印を結び、足元にはシヴァ神とウマ妃を踏みつけているのが特徴です。
軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)
災いを払いのけ人々を守ってくれる軍荼利明王は、五大明王で構成されることが多く南方に置かれています。
一面八臂の姿で、その顔には三つの目を持っています。
また特徴として、腕や足など身体中に蛇を巻きつけています。
大威徳明王(だいいとくみょうおう)
阿弥陀如来、あるいは文殊菩薩の化身で、さまざまな悪を降伏させます。
六面六臂六足のすがたで、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六道を象徴しているとされています。水牛にまたがったすがたであらわされます。
金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)
不空成就如来の化身で、金剛杵を持ち煩悩や悪を打ち砕き災厄を取り除いてくれる明王です。三面六臂のすがたが一般出来ですが、正面の顔にはめが五つあるのが特徴です。