
本当はイヤなのに、断れずについOKしてしまう「断り下手」の人もいらっしゃると思います。
何となく、断ったらダメなような気がしてと、遠慮してしまう場合もありますよね。
しかし、断る力を身に付けると、今までの人生が180度ガラリと変わり、新しい自分になれます。
なぜ断れないのか、断る力を身に付けるとどうなるのか、見ていきましょう。
どうして断ることができないのか?
では、どうして断ることができないのでしょうか?実は、断れないという行動には、大きな深層心理が隠されています。
断ることができない場合、もしかしたら心のどこかで「嫌われたくない」「良い人でいたい」と
思っているかも知れません。
または、他人からの依頼にすべて応えることで、自分の存在価値を認めてもらいたいという気持ちがある場合もあるでしょう。
確かに、いつも依頼に応えていれば、あなたに声を掛けてくれる友人・知人は集まります。お互いもめごとなく人間関係を円滑に過ごしていくには、我慢するということを選択肢に入れる人も多いようです。
断るという行為は、悪いことでもワガママでも失礼なことでもありません。もし、あなたがはっきりと断って嫌われることがあったら、その人との関係はそこまでのことと考えてください。
人に合わせて、自分が我慢する必要はありません。
断れないとどうなる?
「相手に失礼」「嫌われたくない」と思い、断ることをやめているとどうなってしまうと思いますか?
例えば、自分の仕事も忙しくて手一杯なのに、上司の命令で仕方なく違う仕事を手伝ったとします。
- 自分の仕事をいったんやめて、そちらの仕事をなんとか進めていく。
- やっとできたと思ったら、自分の仕事が残っている。
- 慌てて自分の仕事もこなしていくけれど終わらない。
- 結局、自分の仕事が遅れて、周囲に迷惑を掛ける。
- そして、上司や同僚に叱られ、落ち込む。
- 自分を責めながらも、また同じことを繰り返す。
というように、負のループに巻き込まれ、抜け出せなくなってしまいます。
仕事に取り組んでいる時は必死なので、なかなか自分の立場に気付きません。でも、いくらやってもやっても追いつかない、なぜこんなにつらいのかと、いう状況が延々と続いてしまいます。
自分も忙しいのに、相手についOKを出してしまう。自分のことを二の次にしてしまい、自分の存在を雑に扱っている。知らず知らずに追い詰められてしまうのが、断れない人の特徴のような気がします。
断る力を身に付けるには?
自分の意思をはっきり持つ
今までは、引き受けたくないこと・やりたくないこともOKしていたのではないかと思います。それは、自分の気持ちを二の次にしていて、感情を知らず知らずに殺してしまう行為です。
これからは、
- 自分はそのことをやりたいのか
- 本当にやりたいことは何か
を自分の心に聞いてみてください。
自分が引き受けたくないこと・やりたくないことは、無理して行なうことはないのです。
先延ばしにしない
気持ちが進まない時は、相手に返事をするにも時間を要する場合があります。イヤなことほど、ズルズルしてしまいがちですよね。
そうなると、早くそのことから離れたいのに心にはモヤモヤが居続けます。
だから、断る時は、すぐに行動することが大切。「断る」=「今の自分に必要のないこと」ですから、自分の気持ちを惑わさないためにも、先延ばしにしないこと。早く返事をした方が、相手にも不快感を与えません。
断ることのメリット
断る力はスキル
断る時は、相手を「不快にさせない」「傷つけない」ように気を付けますよね。それは、相手に対しての思いやりです。
断る時は相手を労ったり、不快にさせないよう気遣うはず。これは、言ってみればトレーニングみたいなもの。断る時にはスキルが伴います。コミュニケーション能力のひとつだと思います。
ですから、断った先の展開がとても大切。気まずくさせてしまうのはスキルがないからですし、またたとえ上手に断れたとしても、相手の取り方でも変わってきますよね。
結構、難しいですよ^^;でも、これがスキルなら鍛えることで改善できるのです。改善方法についてはまたの機会でお伝えしますが、断ることで一回り成長している自分を発見するかもしれませんね。
自分の時間ができ、視野が広がる
今まで、イヤな気持ちを押し殺して相手に合わせて行動していたあなた。その時間は、内容によってはとても無駄だったことでしょう。断ることで、自分の時間を作ることができます。
だから、細かなことにまで目が行き届くようになり、自分では気づかなかった出来事に出会います。
自分らしく過ごす時間は、仕事や家事などとのメリハリをつけてくれ、日常生活を送るための励みになること間違いなし!ですよ。
自分を大切にできる
誰かに支配された時間は、退屈だし生産性がありません。自分の時間ができると、心にも大きな余裕が生まれます。心の余裕は、自分自身を大切にする大らかさをくれます。
自分自身を大切にできれば、もちろん人にも優しくできる。正の連鎖ができ、いつでも明るく過ごすことができるようになるのです。
断ったら人生は変わる?信用される?
何でも「いいよ」と引き受けていると、お互いイヤな関係にもならずにつきあっていけるように思えますよね?でも、「できない」「行かない」というふうにはっきり断った方が、ずっと信頼度が高いのです。
出来ないことを引き受けて、その結果本当にできずに中途半端に終わってしまった場合、あなた自身もツラいでしょうし相手側も残念に感じることでしょう。
安易に引き受けてしまった自分の考えにも苦しみますし、信頼関係も失くしてしまいます。
行きたくないのに「誘われたから」という気持ちで一緒にどこかに出かけた場合もそうです。あなたは行きたくないわけですから、楽しいわけがありません。
終始無理しているあなたの気持ちに、誘った側の相手が気づいたらどうでしょうか?「つまらなそうだし、誘わなければよかった」というモヤモヤした気持ちになるでしょうし、このことをきっかけに疎遠になることだってあり得ます。
- 「今こういう状況だからその仕事は引き受けることができない」
- 「自分の好きなことではないので、申し訳ないけれど行けない」
と正直にはっきり断った方が、ずっとずっと信頼されるようになります。
なぜかというと、
- いいかげんな気持ちで仕事を引き受けない
- 自分の好きなことがはっきりしていて芯が強い
と相手が感じ取ってくれるから。
だから、逆に「大事な仕事はあの人に頼もう」というような信用が生まれます。負のループから離れ、今までとは180度違う人生を歩むことができます。
「断る力」って、たった一言で人生を大きく変えるすごいパワーを持った魔法なんですよ。
断ることを恐れないで
「断る」ということへの見方、少しでも変えることができたでしょうか?「断る」という言葉を見た時にネガティブなイメージが浮かびますが、自分の人生をより輝かせるために大切な行為であることに気付いた人が多いと思います。
まさに、魔法の言葉。
一言自分の気持ちを伝えるだけで、人間関係を円滑にし、自分自身のことも大切にできる。大きな信頼を得て、ますます充実した毎日です。
今までの「嫌われたらどうしよう」という気持ちを捨て、自分の気持ちを何よりも大切にしながら、
断る力を身に付けていきましょう。
まとめ
No!と断れない人は、優しい人です。誠実さと謙虚さも持ち併せている人だとも思います。ただ、その優しさにつけ込む人は、悲しいかな…一定数います。
お願いして助けてもらったときは、必ず後で何かお礼をするはずです。それすらもない、頼むのが当たり前の人、横柄な人はこちらから願い下げましょう。
困ったときはお互い様ですが、いつもお願い…と依頼ばかりする人は、その優しさにつけ込む人です。人間関係を円滑にさせていくには、むしろこのような人と付き合っちゃダメです。
ただ、わたし自身は気持ち良く何でも引き受けてくれる人は尊敬します。断れなくて仕方なくやっている人とは、明らかに違います。
自分で、「まずは、一旦断らず引き受ける!何事も経験!」というポリシーを持っている人なら、断る力などはまったく必要ないのではないでしょうか。吸収力を自分の糧にできる力強い人ですから。