悟を開いた者

本来は、釈迦如来の事を指しますが、薬師如来、阿弥陀如来のように具体的な性質を持ったいろんな如来が登場してきます。それぞれに浄土があり、そこでたくさんの菩薩が修行しているといいます。
釈迦如来
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唯一実在した、仏教の元祖ゴータマ・シッダールタを表現したのが釈迦如来像です。
悟りを開き、仏教の真理や教えを人々に説いていく姿を仏像化しました。
着衣は、出家の姿である裳と一枚の法衣だけをまとい宝冠や宝剣などの装身具はつけていません。
釈迦如来像の立っている姿(立像)は、人々を救おうと立ちあがった姿です。
また、座っている姿(坐像)は、説法をする姿、立っている姿(涅槃像)は、釈迦如来が涅槃に入った姿です。
釈迦如来に従い、同じ浄土に住む菩薩を従えているのが「釈迦三尊」です。
左に智恵の仏「文殊菩薩」、右に仏教の普遍の教えという意味を持つ「普賢菩薩」を従えています。
知の文殊、行の普賢と称されています。
また、その下で修行する十六観音も有名です。
阿弥陀如来
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阿弥陀如来は極楽浄土の教祖として、平安時代から親しまれています。
極楽浄土への憧憬もあって、貴族などから阿弥陀堂の建立が数多くされました。
四十八の願をかけ修行した如来。
そのうちの第十八願で極楽浄土に行けるという教えは、大衆へと溶け込みました。
印相は、親指と人差し指を合わせたかたちをとっています。
座禅の時のかたちをとる阿弥陀定印、説法する時の転法輪印、臨終のときに極楽浄土から迎えに来る時の来迎印があります。
「観音菩薩」「勢至菩薩」を従えているのが「阿弥陀三尊」です。
浄土では、多くの菩薩や弟子たちが修行をしていますが、その代表的な菩薩になります。
薬師如来
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十二の大願を持って修行し、それを成し遂げて如来になったのが薬師如来です。
病を治す、寿命を延ばすといった現世に近い功徳が多いため、そのご利益にあやかろうと広く信仰されています。
薬壺が無ければ釈迦如来像と見分けがつかないくらいです。
薬師如来に従う仏に、吉祥薬師、七仏薬師、薬師三尊、薬師十二神将がいます。
このうち薬師十二神将は、薬師如来を信仰し供養するものを助けるとされています。
薬師三尊を囲むように堂内に安置され、その頭にそれぞれ十二支の像をつけています。
大日如来「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」
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「法身仏」と呼ばれ、太陽神を基本にして考え出されたのが毘盧遮那仏です。
毘盧舎那仏はサンスクリット語ですが、密教では大日如来です。こちらの方が知名度があるのではないでしょうか。
密教を象徴する仏で、密教の世界観の中心存在ですね。
台座は蓮華座で、千の蓮華をかたどっています。
千の花には、それぞれ百億の国があり、その一つの国にまたそれぞれ釈迦が現れるという意味合いを持ちます。また、光背には、千の仏があらわされています。
すべての仏は、大日如来がすがたを変えて現れるといいます。
「胎蔵界大日如来」と「金剛界大日如来」が基本となり両界曼荼羅では中心に描かれています。この二つの如来すがたの大きな違いは、印相です。
胎蔵界大日如来は、座禅や瞑想の時に結ぶ法界定印を、金剛界大日如来は、最高の悟りを象徴する智拳印を結んでいます。それぞれ、実践的、知的側面をあらわしています。
また、出家姿の如来像とは異なり、大日如来は宝髻を結った頭に宝冠をつけています。
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