
今回メールで相談をされましたので、本人さんの了解の元シェアして一緒に考えていきたいと思います。
いつからかはっきりとはわからないのですが、他人の幸せを喜ぶことができません。最近は特にそうで、ちょっと心苦しく思っているところです。
昔からの大親友が幸せな報告をしてくれたんですけど、言葉では「おめでとう」と言っても、心の中は嫉妬でいっぱい。「こんなに嬉しいことなのに、なぜ私は喜べないんだろう」と悩んでいます。それなのに、誰かになにか大変なことが起きると、ちょっと喜んでしまう自分がいます。
- もしかして、冷酷な人間なのでは?
- それとも何かの病気なのでは?
気になって原因を調べていくうちに『シャーデンフロイデ』という言葉にたどり着きました。こんな自分がイヤで仕方ないです….
シャーデンフロイデとは
まず、聞きなれない『シャーデンフロイデ』という言葉ですが、wikipediaの情報を要約すると、自分が手を下すことなく相手が不幸・悲しみ・苦しみ・失敗にあったときとそれを見聞きした時に、喜び・ 嬉しさといった快い感情を覚えること。
ドイツ語で「他人の不幸を喜ぶ気持ち」を意味している。日本語で言う 「ざまあみろ」と思うような感情です。
日本でのシャーデンフロイデの類義語は「他人の不幸は蜜の味」や「他人の不幸でメシウマ」。とのこと。
まさに「他人の不幸は蜜の味」ということですよね。誰かに幸せなことがあると心のどこかで卑屈に思ってしまって素直に喜べないのに、大変な状況や不幸が起きている状態を見ると、なぜか喜んでいる状態が、シャーデンフロイデ状態です。
そして、本人にも自覚があります。まるで悪魔のようだな…と思い、悩みつつ、どうしてもこの感情を手放すことができないのです。
どうしてこのような感情になってしまうのか、以下で見ていきます。
私達はどんな時にシャーデンフロイデを感じるのか?
いくら「他人の不幸は蜜の味」だと言っても、四六時中そんな気持ちで過ごしているわけではありません。人は、いったいどんな時にこの感情になってしまうのでしょうか…。
「シャーデンフロイデ 他人を引きずり下す快感」の著者・中野信子さんは、
‘いくつかの条件がある。対象として性別・年齢・立場など自分と同じような人が近くにいて
その人が自分よりも何か上位のものを持っていること’と仰っています。
上位のものとは、自分より立派な家だったり、高収入だったり。そして、それに対してネガティブな嫉妬が生まれるということのようですね。
嫉妬を解決するために浮かぶ感情は二つあります。
- 「この人を超えてやろう」
- 「相手を引きずりおろしてやろう」
という感情です。
後者の「相手を引きずりおろしてやろう」という感情が芽生えたとき、脳内ではその状態がイメージされていくとか。
相手を引きずりおろしたというイメージが自分を喜ばせてしまうのですが、それがそのシャーデンフロイデというものなのだそうです。
まさに「他人の不幸を喜ぶメシウマ感情」というものを脳内で生んでしまうのですね。

また、他にもいろいろ調べてみると、ナルシストやサイコパスなど性格に障害のある人の中には、相手の立場になって物事が考えられず、シャーデンフロイデに陥りやすい傾向があるとも言われているようです。
でも、だからといって、「シャーデンフロイデはとても悪いものだから、経験する人が悪なのだ」というわけではありません。シャーデンフロイデは、誰もが経験してしまう感情です。
ネガティブの感情の中に生きているシャーデンフロイド症候群にはなりたくないと、誰もが思うはずです。しかしながら、シャーデンフロイデに悩んでいる人は結構な割合でいます。
シャーデンフロイデの手放し方
嫉妬心やそれに付随するネガティブな行動は、自分にとって大きなストレスとなり、大変苦しいものです。相手の不幸を望んで生きていくのは、本当に辛いことですよ。
心から一緒に喜びたいのに、どこかで人を羨んで大きな妬みを持ってしまう。これだと人間関係そのものが虚像です。
わたしもそれと同じ状態だという人もいるでしょう。『人を呪えば穴二つ』になってしまう前にこの感情を手放し、他人を尊重して生きてください。
次に対処法をまとめてみました。
ネガティブ→ポジティブに変えていく
ただ単にネガティブな感情をボジティブに切り替える、方法です。
例えば「あの人は何でも手にしていてズルい」と感じたとします。この気持ちをポジティブに「よし!私も頑張って超えてやろう!」と変換します。感情の昇華です。
ネガティブに思っていたことが大きなエネルギーに変わり、自分の目標のためのパワーになってくれます。
相手を見る目を変える
相手の状態を妬んだりするのではなく、状況の違いを理解して憧れや尊敬の感情に変えていきます。
「あの人はあの人だから、比べても意味がない。自分は自分のペースで頑張ろう」という気持ちになれば、シャーデンフロイデを寄せ付けません。
自分のことを大切にしよう
他人と自分を比べて落ち込んだり妬んだりする暇を作らないようにしていくことです。他人のことより、まず自分を大切にしてください。
- 自分はやりたいことに取り組めているか?
- 好きでもないことにとらわれて、自分の気持ちを犠牲にしていないか?
自分の行動を振り返り、それに対して自分はどう思っているのか考えていきます。もし気持ちと違うことをしているのならば、見直して改めていきましょう。
自分の価値観を満たしていれば、他人に対してマイナスの感情も芽生えません。そして、なによりも誰よりも自分を好きでいることです。
他人を妬む自分を責めるのではなく、そんな自分をただ受け入れるだけです。こういうタイプの人はセルフイメージが低い傾向にあります。
シャーデンフロイドを手放すため、少しずつ努力を重ねていけば必ず感情は昇華します。大なり小なり誰もが経験する感情です。あなたが特別なわけではありません。

大切な友人のことは、本来なら妬んだりしたくないはずですよね。
このネガティブな感情に長年悩んできた人は、人間関係を円滑にするためにも、不要な感情は捨てましょう。成長のためにも意識改革は重要です。
相手に対して同調・応援・感謝の気持ちなどで味方になる場合もあれば、批判・妬み・嫌悪などで敵とみなしシャーデンフロイド現象に陥る場合もあります。
仕事や普段の生活の何気ないときにでも、比較、競争することは普通にありますが、その行動、感情が行き過ぎるとメシウマ感情になり、どんどん膨張していきます。